橋本病
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橋本病(慢性甲状腺炎)とは
橋本病とは、免疫の異常によって甲状腺に慢性的な炎症が起こる自己免疫疾患です。女性に多く、成人女性の約3〜10%に見られるとされています。多くの場合は長期間症状がなく、進行すると甲状腺ホルモンが不足する「甲状腺機能低下症」へと進行します。適切な管理と定期的な経過観察で、通常の生活を送ることが可能です。
症状・原因
主な症状
- 自覚症状がないことが多い(健診で偶然発見されるケースも)
- 倦怠感・疲れやすさ
- むくみ・寒がり
- 体重増加・便秘
- 首の腫れ(甲状腺腫)
- まれに一時的な動悸・発汗(無痛性甲状腺炎として現れることがある)
原因
自己免疫の異常によって、免疫細胞が誤って自分の甲状腺を攻撃し続けることで慢性的な炎症が起こります。遺伝的な素因が関与していると考えられており、家族に甲状腺疾患の方がいる場合はリスクが高まります。
検査・治療
検査
血液検査(TSH・FT4・TPO抗体・サイログロブリン抗体)で診断します。自己抗体が陽性であることが診断の根拠となります。ホルモン値が正常でも抗体陽性の場合は橋本病と診断されることがあります。超音波検査でも特徴的な超音波所見を呈することがあり、診断できます。
治療
甲状腺機能が正常な場合は定期的な経過観察が基本です。甲状腺機能低下症を発症した場合は甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)による補充療法を行います。多くの場合、当院での継続管理が可能です。
当院の方針
橋本病は「病気と言われたが症状がない」という方が多く、定期的な通院を続けることが重要です。当院では血液検査・超音波検査で甲状腺機能と甲状腺の状態を定期的に評価し、機能低下への移行を見逃さない管理を行います。また橋本病の方は産後に一時的に甲状腺機能が変動する「産後甲状腺炎」を起こしやすいため、妊娠・出産を考えている方には特に注意深いフォローをお勧めしています。

橋本病は「一生付き合う病気」ではありますが、適切に管理すれば通常の生活を送ることができます。「抗体が高いと言われたが何もしなくていいのか不安」という方も、定期的な受診で安心して経過を見守ることができます。(院長 藤島成)
橋本病に関するよくあるご質問
橋本病自体は慢性疾患であり、完治はほとんどありません。ただし甲状腺機能が正常に保たれている場合は治療不要で、定期的な経過観察のみで問題ありません。
橋本病の方の多く(約7〜8割)は甲状腺機能が正常のまま経過します。ただし一部の方は徐々に機能が低下するため、定期的な血液検査での確認が重要です。
橋本病があると妊娠中に甲状腺機能が変動しやすくなります。妊娠中・産後は通常より頻繁な血液検査が必要です。妊娠を希望している方は事前にご相談ください。
甲状腺機能が正常であれば薬は不要です。ただし機能低下症が確認された場合は甲状腺ホルモン剤の内服が必要です。定期的な血液検査で判断します。
橋本病から直接がんになることはほとんどありません。ただし極めてまれに甲状腺リンパ腫の発症と関連するとされているため、定期的な超音波検査での確認をお勧めします。
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乳腺と甲状腺の専門クリニック
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